先端研究者・経営者による地域活性化ものづくりセミナー


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開催報告

神奈川産業振興センターは日、横浜市中区の神奈川中小企業センタービルで「先端研究者・経営者による地域活性化ものづくりセミナーin横浜」を開催した。企業経営者など人が参加した。セミナーは慶応義塾大学理工学部教授の小池康博氏やニコラデザイン・アンド・テクノロジー社長の水野操氏ら5人が講演。小池氏は「フォトニクスポリマーが拓くFace-to-Faceコミュニケーション」と題し、フォトニクス・イノベーションへ向けての研究開発の現状や、展望などを解説した。小池氏は「人がキーボードの延長の技術に合わせるのではなく、技術が人に戻ってくる人間調和型のイノベーションが望まれる」と話した。

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先端研究者・経営者による地域活性化ものづくりセミナー in 横浜 開催概要
開催日時 2011年2月21日(月)
開催時間

13:00~17:50(受付開始12:30~)

開催場所 神奈川中小企業センタービル14F 多目的ホール
地下鉄関内駅 7番出口より徒歩2分
JR関内駅北口より徒歩5分
みなとみらい線馬車道駅 3番出口より徒歩7分
主 催 財団法人神奈川産業振興センター
共 催 日刊工業新聞社
後 援 関東経済産業局、神奈川県、横浜市経済観光局、川崎市、相模原市
対 象 神奈川県および周辺の中堅・中小・零細企業の経営者・部課長・推進リーダー以上
定 員 100名
参加費 無料
セミナー資料 ダウンロード≫ (PDF 1.2MB)
先端研究者・経営者による地域活性化ものづくりセミナー in 横浜 セミナープログラム

テーマ:

「スマート社会がもたらす次世代ライフスタイルとものづくり」

12:30~ 受付開始
13:00~13:05 主催者挨拶
財団法人神奈川産業振興センター 会長 神谷光信(予定)
13:05~13:15 来賓挨拶
経済産業省関東経済産業局 地域経済部地域振興課 課長 青木 宏 氏
13:15~14:25
第1講演

フォトニクスポリマーが拓くFace-to-Faceコミュニケーション

GI型プラスチック光ファイバー、光散乱導光ポリマー、ゼロ複屈折ポリマー等のフォトニクスポリマー最新技術が可能にする高精彩・大画面による超高速Face-to-Face コミュニケーションシステムについて述べる。

講師: 慶應義塾大学理工学部教授 工学博士 小池康博 氏

慶應義塾大学理工学部教授 工学博士 小池康博氏

【現  職】
慶應義塾大学理工学部・慶應義塾大学大学院理工学研究科 教授
慶應義塾大学フォトニクス・リサーチ・インスティテュート 所長
Honorary Doctorate, Eindhoven University of Technology
Affiliate Professor, Materials Science & Engineering Department, University of Washington

【進行プロジェクト】
独立行政法人 科学技術振興機構 戦略的創造研究推進事業 発展研究
ERATO-SORST小池フォトニクスポリマープロジェクト研究総括
「Fiber-To-The-Displayのためのフォトニクスポリマー」

内閣府最先端研究開発支援プログラム(FIRST) 中心研究者
「世界最速プラスチック光ファイバーと高精細・大画面ディスプレイのためのフォトニクスポリマーが築くFace-to-Faceコミュニケーション産業の創出」

【経  歴】
1982年 慶應義塾大学大学院工学研究科博士課程修了
1982年~1983年3月 慶應義塾大学理工学部 非常勤講師
1983年~1988年 慶應義塾大学理工学部 助手
1988年~1992年 慶應義塾大学理工学部 専任講師
1989年~1990年 米国ベル研究所研究員
1992年~1997年 慶應義塾大学理工学部 助教授
1997年~現在 慶應義塾大学理工学部 教授
2004年~2008年3月 兼慶應義塾先端科学技術研究センター所長
2008年4月~ 兼慶應義塾大学理工学部研究奨励交流委員会委員長
2010年4月~ 兼慶應義塾大学フォトニクス・リサーチ・インスティテュート 所長
2003年~2004年3月 東北大学客員教授
2007年4月~ Honorary Doctorate of Eindhoven University of Technology
2009~ Affiliate Professor, Materials Science & Engineering Department,
University of Washington

【専門分野】
高速GI型ポリマー光ファイバー・高輝度光散乱導光ポリマー・ゼロ複屈折性ポリマー・屈折率分布型ポリマーレンズ等をはじめとするフォトニクスポリマー
14:25~14:30 休憩
14:30~15:20
第2講演

ビジネスチャンスを劇的に広げる3次元データの活用実践のシナリオ

製造業を取り巻く環境が大きく変わる中、経営層・現場を問わず3次元データの活用をはじめとして、ITを上手に使うことで成果を上げている企業が増えてきています。新時代のモノづくりには必要不可欠な3次元の導入や活動の実践のやり方を、現場の情報を踏まえながらご紹介します。

講師: 
有限会社ニコラデザイン・アンド・テクノロジー 代表取締役社長
一般社団法人3Dデータを活用する会(3D-GAN) 理事 水野 操 氏

有限会社ニコラデザイン・アンド・テクノロジー 水野 操氏

【経  歴】
1967年 東京生まれ
1992年 Embry-Riddle Aeronautical University(米国フロリダ州)航空宇宙工学 修士課程修了
1992年 日本マーク株式会社(現MSC Software)入社 非線形解析業務に従事
1997年 日本SDRC(現シーメンスPLMソフトウェア)入社 フォード、マツダ、日産など大手自動車会社のPLM導入コンサルティングに従事
2001年 コンサルティングファーム キャップジェミニ・アーンスト・アンド・ヤング入社 大手総合家電メーカーの開発プロセス改革のコンサルティングに従事
2004年 3次元データの活用とパーソナルなモノづくりをするメーカーを目指して、ニコラデザイン・アンド・テクノロジーを創業 代表に就任

著書に「絵ときでわかる3次元CADの本―選び方・使い方・メリットの出し方」(日刊工業新聞社)など。
15:20~15:35 休憩
15:35~16:10
第3講演

3次元設計再考:優れたアイデアを、大いなる成功へ導くために~デジタルものづくりによる企業価値創造のシナリオ

3次元デジタルものづくりは、(1)「設計力と現場力の連携」、(2)「技術力から経営力を生むイノベーション」、(3)「消費者視点の企業価値創造」を推進できる道具としてここ数年で劇的な進化を遂げました。その進化するデジタルものづくり手法をユーザ事例を交えてご紹介します。

講師: ソリッドワークス・ジャパン株式会社 マーケティング部 担当部長 金谷道雄 氏

ソリッドワークス・ジャパン株式会社 金谷道雄氏

【経  歴】
1983年3月 筑波大学第三学群情報学類卒業
1983年4月 第二精工舎(現セイコーインスツル、以下SII)入社、当時総代理店契約を締結したUnigraphics事業の技術・マーケティングに従事
1997年5月 SolidWorksの総代理店であったKUSCOに入社し、SolidWorksのマーケティング全般に従事。
1998年12月 ソリッドワークス・ジャパン創立にともない、KUSCOから移籍。
引き続きSolidWorksのマーケティング全般に従事。
 
機械系CAD業界での28年以上に及ぶ技術・マーケティング経験を有し、ソリッドワークスもほぼ創業から関与し、今年で14年目。
現在に至る。
16:10~16:15 休憩
16:15~17:00
第4講演

実現する不況でも売れる仕組みの自社商品開発秘話

不況でも売れる仕組み、発想を実現するためのメソッドを紹介。開発商品が昨年度16回TV放送、2010キッズデザイン賞、最優秀賞、経済産業大臣賞など人への配慮をキーワードにヒット商品を連発。その「感動ある商品づくり」を解説いたします。

講師: 有限会社アイ・シー・アイデザイン研究所 代表取締役 飯田吉秋 氏

有限会社アイ・シー・アイデザイン研究所 飯田吉秋氏

【経  歴】
1947年愛知県生まれ 83年松下電器産業(株)退社、85年有限会社アイ・シー・アイデザイン研究所を設立、代表取締役就任。現在に至る。88年NY近代美術館永久展示、93年デザインフォーラム金賞、94年bio 14 Gold Medal 受賞、2010バリアフリー内閣府特命担当大臣表彰優良賞」など多数受賞。
著書に「素材加工事典」、「思いのままのモノづくり 美しい3DCAD」など。
17:00~17:05 休憩
17:05~17:50
第5講演

「進化するものづくり事例」
―高度化社会の工作機械が可能にする、高度な工作・新しいビジネス!―

ものづくりの様式が、ここ数十年の間に、大きく変貌を遂げています。その根底にあるのは、情報の技術革新による高度化。それが、現場のものづくりに、今、どんな変化を与えているのか?入曽精密の作品群を通して説明いたします。

講師: 株式会社入曽精密 代表取締役 斉藤清和 氏

株式会社入曽精密 斉藤清和氏

【経  歴】
1958年9月9日
1977年 県立川越高等学校 卒  建設会社を経て
1983年 入曽精密入社
2000年 副社長就任
2002年 社長就任

開催報告

京都府中小企業技術センターは4月26日、京都府下京区の同センターで「先端研究者・経営者による地域活性化ものづくりセミナー in 京都」を開催し、企業経営者ら約70人が参加した。セミナーでは、東レ環境・エネルギー開発センター企画推進室の花之内浩貴氏やユーシン精機開発本部の大立泰治氏ら5人の識者が講演。「スマート社会がもたらす次世代ライフスタイルとものづくり」を共通テーマに、各分野での取り組みや研究開発事例、展望などを解説した。

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先端研究者・経営者による地域活性化ものづくりセミナー in 京都 開催概要
開催日時 2011年4月26日(火)
開催時間 13:15~17:45(受付開始12:30~)
開催場所 京都リサーチパーク(KRP)東地区 京都府産業支援センター5F研修室
主 催 京都府中小企業技術センター
共 催 日刊工業新聞社
後 援 近畿経済産業局
対 象 京都府および周辺の中堅・中小・零細企業の経営者・部課長・推進リーダー以上
定 員 80名
参加費 無料
セミナー資料 ダウンロード≫ (PDF 1.2MB)

先端研究者・経営者による地域活性化ものづくりセミナー in 京都 セミナープログラム

テーマ:

「スマート社会がもたらす次世代ライフスタイルとものづくり」

12:30~ 受付開始
13:15~13:20 主催者挨拶
京都府中小企業技術センター 所長 小林章一
13:20~13:25 来賓挨拶
経済産業省 近畿経済産業局 産業部ものづくり産業支援室長 高木 英彦 氏
13:25~14:25
第1講演

地球環境問題に対する東レグループの取り組み

地球環境問題の解決と経済成長の両立を目指す実現性のある取組みとして、当社が提唱する「ライフサイクルマネジメント(LCM)環境経営」を紹介いたします。

講師: 東レ株式会社 環境・エネルギー開発センター 企画推進室 花之内浩貴 氏

東レ株式会社 花之内浩貴氏

【経  歴】
1996年 東レ入社
炭素繊維の生産管理業務を経て、アラミド繊維などを活用した産業資材
新商品開発を担当
2009年 PLAなどバイオベースポリマーを用いた新商品開発、
及びライフサイクルマネジメント環境経営の企画、社内外普及に従事
14:25~14:30 休憩
14:30~15:20
第2講演

形状創成設計による射出成形機周辺機器の開発事例の紹介

従来の経験と勘に基づく構造解析を用いた“最適設計”では、初期形状に近く所謂無難な形状でした。今回、航空機や自動車で行われている最先端の“形状創成設計”を、射出成形機周辺機器に適応し、その開発事例を紹介いたします。

講師: 株式会社ユーシン精機 開発本部 大立泰治 氏

株式会社ユーシン精機 大立泰治氏

【経  歴】
1958年 愛知県出身
1983年 株式会社 豊田中央研究所 入社
1992年 株式会社 豊田自動織機 転籍
1994年 学位取得
2003年 株式会社 マイウェイ技研 入社(同年 取締役社長)
2004年 株式会社 ユーシン精機 入社(2008年 取締役) 
現在に至る
15:20~15:35 休憩
15:35~16:05
第3講演

3次元設計再考:優れたアイデアを、大いなる成功へ導くために~デジタルものづくりによる企業価値創造のシナリオ

3次元デジタルものづくりは、(1)「設計力と現場力の連携」、(2)「技術力から経営力を生むイノベーション」、(3)「消費者視点の企業価値創造」を推進できる道具として、ここ数年で劇的な進化を遂げました。その進化するデジタルものづくり手法をユーザ事例を交えて紹介いたします。

講師: ソリッドワークス・ジャパン株式会社 マーケティング部 担当部長 金谷道雄 氏

ソリッドワークス・ジャパン株式会社 金谷道雄氏

【経  歴】
1983年3月 筑波大学第三学群情報学類卒業
1983年4月 第二精工舎(現セイコーインスツル、以下SII)入社、当時総代理店契約を締結したUnigraphics事業の技術・マーケティングに従事
1997年5月 SolidWorksの総代理店であったKUSCOに入社し、SolidWorksのマーケティング全般に従事。
1998年12月 ソリッドワークス・ジャパン創立にともない、KUSCOから移籍。
引き続きSolidWorksのマーケティング全般に従事。
 
機械系CAD業界での28年以上に及ぶ技術・マーケティング経験を有し、ソリッドワークスもほぼ創業から関与し、今年で14年目。
現在に至る。
16:05~16:10 休憩
16:10~16:55
第4講演

実現する不況でも売れる仕組みの自社商品開発秘話

不況でも売れる仕組み、発想を実現するためのメソッドを紹介。開発商品が昨年度16回TV放送、2010キッズデザイン賞、最優秀賞、経済産業大臣賞など人への配慮をキーワードにヒット商品を連発。その「感動ある商品づくり」を解説いたします。

講師: 有限会社アイ・シー・アイデザイン研究所 代表取締役 飯田吉秋 氏

有限会社アイ・シー・アイデザイン研究所 飯田吉秋氏

【経  歴】
1947年愛知県生まれ 83年松下電器産業(株)退社、85年有限会社アイ・シー・アイデザイン研究所を設立、代表取締役就任。現在に至る。88年NY近代美術館永久展示、93年デザインフォーラム金賞、94年bio 14 Gold Medal 受賞、2010バリアフリー内閣府特命担当大臣表彰優良賞」など多数受賞。
著書に「素材加工事典」、「思いのままのモノづくり 美しい3DCAD」など。
16:55~17:00 休憩
17:00~17:45
第5講演

「進化するものづくり事例」
―高度化社会の工作機械が可能にする、高度な工作・新しいビジネス!―

ものづくりの様式が、ここ数十年の間に、大きく変貌を遂げています。その根底にあるのは、情報の技術革新による高度化。それが現場のものづくりに、今、どんな変化を与えているのか?入曽精密の作品群を通して説明いたします。

講師: 株式会社入曽精密 代表取締役 斉藤清和 氏

株式会社入曽精密 斉藤清和氏

【経  歴】
1958年9月9日
1977年 県立川越高等学校 卒  建設会社を経て
1983年 入曽精密入社
2000年 副社長就任
2002年 社長就任

開催報告

財団法人飯塚研究開発機構主催、日刊工業新聞社共催の「先端研究者・経営者による地域活性化ものづくりセミナーin福岡」が6月27日、飯塚市の飯塚研究開発センターで県内企業を中心に70名超の参加の下、開催された。講演では、東京工業大学大学院の柏木孝夫教授やターボブレードの林正基社長ら6人の識者が講演。「スマート社会がもたらす次世代ライフスタイルとものづくり」を共通テーマに、各分野での取り組みや研究開発事例、展望などを解説した。

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ご協力ありがとうございました

先端研究者・経営者による地域活性化ものづくりセミナー in 福岡 開催概要
開催日時 2011年6月27日(月)
開催時間 13:00~17:35(受付開始12:30~)
開催場所 福岡県立飯塚研究開発センター
※ご来場は車でお越しください。駐車スペースが140台分ございます。
 (交流会に参加の方は、車での来場はご遠慮ください。)
主 催 財団法人飯塚研究開発機構
共 催 日刊工業新聞社、e-ZUKAトライバレー産学官交流研究会
後 援 九州経済産業局、福岡県、飯塚市、直方市、田川市、宮若市、嘉麻市、
北部九州自動車150万台先進生産拠点推進会議
対 象 福岡県および周辺の中堅・中小・零細企業の経営者・部課長・推進リーダー以上
定 員 100名
参加費 無料(交流会参加の場合は2000円(学生は500円))
セミナー資料 ダウンロード≫ (PDF 1.2MB)

先端研究者・経営者による地域活性化ものづくりセミナー in 福岡 セミナープログラム

テーマ:

「スマート社会がもたらす次世代ライフスタイルとものづくり
~ものづくりスピリットが語る・変わるライフスタイル、創る新ビジネスチャンス!」

12:30~ 受付開始
13:00~13:05 主催者挨拶
財団法人飯塚研究開発機構 専務理事 福澤信義
13:05~13:10 来賓挨拶
経済産業省 九州経済産業局 局長 滝本徹 氏
13:10~14:10
第1講演

スマートコミュニティ構想による我が国の成長戦略

低炭素社会の構築は今世紀最大の国際的課題であり、逸早くこのコンセプトを構築した国が生き残る。
化石から非化石の流れを加速させると共に、化石燃料のクリーン化・高度利用の両輪で実現化してゆく事になる。特に今回の東日本大震災の難局を乗り越え、復興に向けて、スマートコミュニティ構築の重要性を示すと共に今後我が国がとるべき路を明確にしたい。

講師: 国立大学法人 東京工業大学大学院 柏木孝夫 教授

国立大学法人 東京工業大学大学院 柏木孝夫教授

【経  歴】
1946年 東京生れ
1970年 東京工業大学工学部卒業
1979年 博士号取得
1980~1981年 米国商務省NBS招聘研究員。東京工業大学工学部助教授を経て
1988年 東京農工大学工学部教授
1996年 九州大学教授を併任
2005年 東京農工大学評議員・図書館長
2007年 現職、東京工業大学大学院 教授・先進エネルギー国際研究センター長、経済産業省の総合資源エネルギー調査会新エネルギー部会長(2010年3月まで)
 
その他に、経済産業省「再生可能エネルギーの全量買取りに関するプロジェクトチーム委員会」委員(2009年~)、同省「低炭素社会におけるガス事業のあり方に関する研究会」委員長(2009年~)、同省資源エネルギー庁「次世代エネルギー・社会システム協議会」助言有識者(2009年~)、同省「スマートコミュニティ関連システムフォーラム」委員(2009年~)、同省・内閣府の燃料電池評価・助言会議議長ほか、各種審議会委員。日本機械学会フェロー,日本エネルギー学会会長(21代)など

編著書に『2050年への挑戦』、著書に『地球からの贈り物』『エネルギーシステムの法則』『マイクロパワー革命』(平成14年3月エネルギーフォーラム優秀賞受賞)、平成22年7月『スマート革命』などがある。また、平成15年2月、日本エネルギー学会より学会賞(学術部門)受賞・平成20年4月文部科学大臣表彰科学技術賞(研究部門)受賞など。専門分野はエネルギー・環境システム,エネルギーシステム解析,冷凍・空気調和
14:10~14:15 休憩
14:15~15:00
第2講演

3次元CADおよび解析アドインの充分な利用による開発設計の多数の成功事例紹介と今後の取り組みについて

ターボ機械全般における開発設計において、3次元CADとその解析アドインを縦横に利用することで、いかに短時間に開発設計を成功へ導くかを事例を通じてご紹介するとともに、今後の3次元CADのより有効な利用方法について、当社の考えを紹介いたします。

講師: 株式会社ターボブレード 代表取締役 林正基 氏

株式会社ターボブレード 林正基氏

【経  歴】
昭和55年 熊本大学工学部資源開発工学科卒業
昭和58年 熊本大学大学院機械工学修了
昭和59年 林エンジニアリング株式会社入社(父親の会社)
主に水力タービン設計と設計用ソフトウェアの開発
水力発電所の国内・海外調査や現地施工など全般を習得
平成11年 林エンジニアリングを退社し、(有)ターボブレードを設立
高性能ポンプ・ファン・ブロワなどの設計を中心として開始
平成22年 (有)ターボブレードを(株)ターボブレードに改組
現在に至る

【主な業績】
量産ハイブリッド車用高性能ポンプを設計し採用されるF1エンジン用高性能ポンプを設計、
モトGP用高性能ポンプを設計、世界一となる省エネ大賞を受賞する高効率ファンを設計、
マントル掘削計画用タービンドリルを開発進行中(国家プロジェクト)、
各種自然エネルギー用タービンを多数設計中
15:00~15:15 休憩
15:15~15:45
第3講演

3D CADを使ったイノベーションの起こし方
~イノベーションは道具にはない、常にヒトとその関係性の中にある~

3D CADが一般化し始めてから、すでに10年以上経ちました。3D CADは、今や当たり前の道具となっています。設計・製造分野の3D CAD導入前には語られなかった、3D CADの意外な効用、またその効用が発揮されたイノベーション事例をご紹介します。
現在のやり方の延長線上にある、改善・短縮・効率化は大変意味があります。しかし、今の延長線上の話ではなく、イノベーション=跳躍を求める皆さんに贈ります。

講師: 一般社団法人3Dデータを活用する会(3D-GAN) 代表理事 相馬達也 氏

一般社団法人3Dデータを活用する会 相馬達也氏

【経  歴】
90年代初頭からCAE/CAD/CAM/PLM企業SDRC(現シーメンスPLM)に在籍し、工業デザイン、設計・製造・試作、解析、テスト、生産の各分野における3D化に携わる。大手自動車・家電メーカー、金型・部品加工メーカーから模型フィギュア等のホビー製品市場まで幅広く3D化の支援を行う。Autodesk、think3を経て、株式会社グラフィックプロダクツ(現C&Gソリューション)執行役員、株式会社リアルファクトリー代表を努め、07年10月に株式会社ツクルス(tkls)を設立。エンドミル検索・比較ECサイト「CutMill:カッテミル」も運営。
従来の枠にとらわれず3Dデータに関することであれば何でも、「ツクル・ココロ」を広範囲に支援する企業活動を展開中。
1991年 関東学院大学卒
15:45~15:50 休憩
15:50~16:20
第4講演

3次元設計再考:優れたアイデアを、大いなる成功へ導くために~デジタルものづくりによる企業価値創造のシナリオ

3次元デジタルものづくりは、(1)「設計力と現場力の連携」、(2)「技術力から経営力を生むイノベーション」、(3)「消費者視点の企業価値創造」を推進できる道具として、ここ数年で劇的な進化を遂げました。その進化するデジタルものづくり手法をユーザ事例を交えて紹介いたします。

講師: ソリッドワークス・ジャパン株式会社 マーケティング部 担当部長 金谷道雄 氏

ソリッドワークス・ジャパン株式会社 金谷道雄氏

【経  歴】
1983年3月 筑波大学第三学群情報学類卒業
1983年4月 第二精工舎(現セイコーインスツル、以下SII)入社、当時総代理店契約を締結したUnigraphics事業の技術・マーケティングに従事
1997年5月 SolidWorksの総代理店であったKUSCOに入社し、SolidWorksのマーケティング全般に従事。
1998年12月 ソリッドワークス・ジャパン創立にともない、KUSCOから移籍。
引き続きSolidWorksのマーケティング全般に従事。
 
機械系CAD業界での28年以上に及ぶ技術・マーケティング経験を有し、ソリッドワークスもほぼ創業から関与し、今年で14年目。
現在に至る。
16:20~16:30 休憩
16:30~17:00
第5講演

実現する不況でも売れる仕組みの自社商品開発秘話

不況でも売れる仕組み、発想を実現するためのメソッドを紹介。開発商品が昨年度16回TV放送、2010キッズデザイン賞、最優秀賞、経済産業大臣賞など人への配慮をキーワードにヒット商品を連発。その「感動ある商品づくり」を解説いたします。

講師: 有限会社アイ・シー・アイデザイン研究所 代表取締役 飯田吉秋 氏

有限会社アイ・シー・アイデザイン研究所 飯田吉秋氏

【経  歴】
1947年愛知県生まれ 83年松下電器産業(株)退社、85年有限会社アイ・シー・アイデザイン研究所を設立、代表取締役就任。現在に至る。88年NY近代美術館永久展示、93年デザインフォーラム金賞、94年bio 14 Gold Medal 受賞、2010バリアフリー内閣府特命担当大臣表彰優良賞」など多数受賞。
著書に「素材加工事典」、「思いのままのモノづくり 美しい3DCAD」など。
17:00~17:05 休憩
17:05~17:35
第6講演

「進化するものづくり事例」
―高度化社会の工作機械が可能にする、高度な工作・新しいビジネス!―

ものづくりの様式が、ここ数十年の間に、大きく変貌を遂げています。その根底にあるのは、情報の技術革新による高度化。それが、現場のものづくりに、今、どんな変化を与えているのか?入曽精密の作品群を通して説明いたします。

講師: 株式会社入曽精密 代表取締役 斉藤清和 氏

株式会社入曽精密 斉藤清和氏

【経  歴】
1958年9月9日
1977年 県立川越高等学校 卒  建設会社を経て
1983年 入曽精密入社
2000年 副社長就任
2002年 社長就任
17:45~

交流会

 開催場所: 福岡県飯塚研究開発センター内 レストラン「秋桜」(セミナー会場と同一建物)
 開催時間: 17:45~19:00
 交流会費: 2,000円(学生は500円)

開催報告

財団法人上田繊維科学振興会主催、日刊工業新聞社共催の「先端研究者・経営者による地域活性化ものづくりセミナーin信州」が5月13日、上田市の信州大学繊維学部キャンパスで県内企業を中心に100名の方々の参加の下、開催された。講演では、東京工業大学大学院の柏木孝夫教授やセイコーエプソンの花岡清二会長ら5人の識者が講演。「スマート社会がもたらす次世代ライフスタイルとものづくり」を共通テーマに、各分野での取り組みや研究開発事例、展望などを解説した。

地域活性化ものづくりセミナー in 信州 アンケート結果 ≫
ご協力ありがとうございました

先端研究者・経営者による地域活性化ものづくりセミナー in 信州 開催概要
開催日時 2011年5月13日(金)
開催時間 13:30~18:00(受付開始13:00~)
開催場所 信州大学繊維学部総合研究棟7F ミーティングルーム
主 催 財団法人上田繊維科学振興会(AREC)
共 催 日刊工業新聞社
後 援 関東経済産業局、独立行政法人 中小企業基盤整備機構、長野県、 社団法人 長野県商工会議所連合会、長野市、長野商工会議所、上田市、 上田商工会議所、松本市、松本商工会議所、千曲市、千曲商工会議所、 塩尻市、塩尻商工会議所、伊那市、伊那商工会議所、小諸市、小諸商工会議所、佐久市、佐久商工会議所、岡谷市、岡谷商工会議所、諏訪市、 諏訪商工会議所、茅野市、茅野商工会議所、下諏訪町、下諏訪商工会議所、富士見町、富士見町商工会、原村、原村商工会、 信州大学ものづくり協力会、北陸信越工学教育協会、NPO諏訪圏ものづくり推進機構、NPO法人中小企業支援ネットワーク倶楽部
対 象 長野県および周辺の中堅・中小・零細企業の経営者・部課長・推進リーダー以上
定 員 150名
参加費 無料
セミナー資料 ダウンロード≫ (PDF 1.5MB)
先端研究者・経営者による地域活性化ものづくりセミナー in 信州 セミナー報告

テーマ:

「スマート社会がもたらす次世代ライフスタイルとものづくり
~ものづくりスピリットが語る・変わるライフスタイル、創る新ビジネスチャンス!~」

主催者挨拶
財団法人上田繊維科学振興会 理事長、 信州大学名誉教授・特任教授 白井汪芳

◆日本を立て直す製造業の設計力、現場力強化

財団法人上田繊維科学振興会 白井理事長

震災後の日本の立て直しは、ものづくりにかかっています。製造業が日本を立て直し、さらに元気になっていくために、3Dデータを中核としたものづくりを推進し、設計力と現場力を強化することが不可欠です。本日は錚々たる方たちにご講演いただきますが、最後までご静聴いただき、次の活力としていただければと思います。

来賓挨拶
経済産業省 関東経済産業局 地域経済部地域振興課 課長 青木宏 氏

◆新しい日本をつくる

経済産業省地域経済部地域振興課 青木宏課長

関東経済産業局では現在、夏場の節電対策を第一に考えています。電気の問題は製造業に直接、大きな影響を及ぼしますが、経済産業省でも節電に向けた対策を何らかの手を打ち、産業を維持できるように全力を挙げて応援していきます。
政策は節電対策と復興対策が2本柱となっていますが、将来への投資も忘れていません。本日のセミナーを受けて、何か新しいものを生み出したい、新しいイノベーションを起こしたいと思いましたら、我々にご相談いただければ何らかの形で大学や企業、他国とつなぐといったサポートをいたします。「新しい日本をつくる」という気持ちで、皆さんのお手伝いをさせていただきたく考えております。

スマートコミュニティ構想による我国の成長戦略
講師: 国立大学法人 東京工業大学大学院 柏木孝夫 教授

◆日本にとって数少ない成長戦略「スマートコミュニティ」

東京工業大学大学院 柏木孝夫教授

これからの暮らしとエネルギーはどうなるのか。東京工業大学大学院の柏木孝夫教授は、2020年から2030年にかけての暮らしとエネルギーについて、「再生可能エネルギーを最大限取り込み、既存のメガインフラとのベストミックスによって最適化を図り、エネルギーコストがなるべくかからず、ゆとりと豊かさが味わえる暮らしを可能にする住宅やコミュニティを提供したところがウィナーになる。スマートコミュニティは日本にとって、数少ない成長戦略の一つになる」と説く。
全種全量、固定価格で買い取ることが決まれば、再生可能エネルギーの利用は飛躍的に伸びる。発電システムのコストダウンが進み、1kW/h当たりのコストが買い取り価格より安くなると、住宅のスマートハウス化が進み、新築物件では太陽電池の標準装備が当たり前になる。スマートハウスではICT(情報通信技術)を装備し、スマートグリッドというエネルギーのネットワークを形成する。
かし、同時同量が原則の発電にあって、太陽光や風力といった再生可能エネルギーを使った発電は不安定。この問題を解消し、住宅にうまく再生可能エネルギーを取り込むためには蓄電システムを併用しなければならない。キーとなるのが電気自動車(EV)やプラグイン・ハイブリッドカー(PHV)である。EVに搭載されているバッテリーは、一般家庭が1日に使用する電力量の2倍近い蓄電量を持つ。夜間電力や、発電しても系統で受け入れられず余剰となった電気をクルマのバッテリーに充電しておけば、クルマを走らせるためだけではなく、発電できないときにバッテリーから建屋に電気を送り、家電製品を動かすことができる。柏木教授は「暮らしとエネルギーの中で、クルマは電気の面的融通を促し、極めて大きなインパクトを持つようになる」と強調する。

◆アライアンスを組み新しいビジネスモデルを輸出

スマートハウスでは発電が不安定な再生可能エネルギーを最大限取り込むために、スマートメーターで電気をコントロールする。建屋内での電気の利用状況をスマートメーターに収集し、ホームゲートウェイで不安定な電気をリアルタイムでうまく取り込む。すべての家電製品にICTが組み込まれ、不安定な電気がいつでも応答するデマンドレスポンスが可能になる。この点を柏木教授は「スマートコミュニティを形成していくには避けて通れない重要なことだ」と強調する。
デマンドレスポンスをコミュニティーレベルに発展させると、コミュニティ内でのクルマの有効利用が可能になり、例えば外出先で、帰るまでに必要な量以外の電気をリアルタイムプライシングで売ることもできるようになる。
スマートコミュニティの形成は、今後の電力送配電システム、自然エネルギーの普及促進の拡大、新しいビジネスモデル、今後のエネルギー需給構造と密接にリンクし、一企業の取り組みだけで実現するものではない。ビジネスモデルについて柏木教授は「個別商品の単品売りではなくパッケージで考えなければならない。スマートコミュニティの名の下で新たなアライアンスを組み新しいビジネスモデルを輸出していくことに、日本の成長戦略がある」と断言する。関連する産業は自動車、太陽電池、住宅、ICT、ソフトなど多岐にわたるが、「何らかのアライアンスを組みビジネスパートナーを見つけることが、地域に密着したスマートコミュニティの構想を一段と輝かしいものにすると確信している。これからの成長戦略につながるビジネスパートナーを見つけることが非常に重要だ」とエールを送った。

エプソンのものづくり -プリンターを中心に-
講師: セイコーエプソン株式会社 取締役会長 花岡清二 氏

◆「創造と挑戦」を掲げ3つのDNAを脈々と受け継ぐ

セイコーエプソン株式会社 花岡清二会長

プリンターを中心に事業を伸ばしてきたセイコーエプソンのルーツは、時計の開発・製造にある。1964年の東京オリンピックでセイコーグループが計時を担当するにあたり、諏訪精工舎(現セイコーエプソン)はクリスタルクロノメーターと計測記録を印刷するプリンティングタイマーを開発した。この二つがセイコーエプソンのその後の多角化の礎となった。
現在のようにプリンターを核としたカラーイメージング、電子デバイス、精密機器という技術基盤を持つに至ったのは、同社が「創造と挑戦」を掲げ、果敢にチャレンジした結果による。取締役会長の花岡清二氏は、「世の中にないものにチャレンジする、世界初・世界最小が実現できるような独自技術の追求、チームの力で実現する。これらエプソンのDNA3本柱が、脈々と社内に受け継がれてきた成果が出ているではないかと思う」と言う。

◆新たなニーズを予測し、カラーインクジェットプリンターの開発に集中

事業の中心を時計からプリンターにシフトしたのは、持っている技術を環境変化と合わせ生かしたことによる。
同社がプリンターなどの情報機器の開発・製造・販売にシフトを始めたのは1970年。電卓用ミニプリンターに始まり、ECR・POS用プリンターを経てパソコン用プリンターへと発展させながら、事業を成長させてきた。
一見すると、プリンター事業は順風満帆に歩んできたように見えるが、1990年前後に最大の危機を迎えた。最大の危機とは、レーザープリンターとインクジェットプリンターが台頭し、同社の稼ぎ頭だったインパクトプリンターを凌駕しつつあったこと。この危機に際し、カラーインクジェットプリンターを開発し、新市場を切り拓くことで乗り切ることを決めた。
カラーに着目したのは、デジタルカメラの普及とWindows95の登場。デジカメで撮影した画像を、パソコンを介してプリンターで出力するという新たなニーズが予測できたことから、写真品質を実現するカラープリンターのラインナップ拡充を狙うことにした。
カラーインクジェットプリンターの開発で採用したのが、機械的加圧力でインクを吐出するピエゾ方式だった。ピエゾ方式を採用した理由の一つとして、花岡氏は「時計の開発で培った技術のDNAがカラーインクジェットプリンター開発のベースにあった」と明かす。予測された新たなニーズが的中し追い風に乗ったこと、劣勢をはね返すためにカラーに着目し開発を集中させたことが、結果的に主力事業へと育てた。
カラーインクジェットプリンターの登場は、自分で撮った写真を写真店ではなく自宅のプリンターで出力する、という消費者の行動様式を変えるきっかけになった。さらに現在は用途展開や技術開発が進み、商業印刷のほか捺染、カラーフィルター向けに利用されるまでになっている。
花岡氏は新商品を評価する独自のものさし(=顧客行動)として、「行動が不連続になる」「行動の様式が変わる」「行動の効率が飛躍的に上がる」の3つを挙げる。カラーインクジェットプリンターはまさに「行動の様式が変わる」に該当する。しかし、ものさしが意味する顧客行動が起き、市場で成功する商品はなかなか生まれないという。
ICT単体のビジネスだけでは日本の復権はない現在、これからのビジネスは、どのようなビジネスモデルで利益を得ていくかを考え、そのために必要な要素を獲得しないと育たない。そして、どこでつくっても全世界で売れる商品も重要な要素となる。「商品が3つのものさしのどれに当てはまるかを見るように心がけているが、これからも、ものさしのようなことが起きる商品を開発していきたい」と花岡氏は今後の展望を語った。

3次元設計再考:優れたアイデアを、大いなる成功へ導くために
~デジタルものづくりによる企業価値創造のシナリオ

講師: ソリッドワークス・ジャパン株式会社 マーケティング部 担当部長 金谷道雄 氏

◆3D CADによる新たなものづくり

ソリッドワークス・ジャパン株式会社マーケティング部 金谷道雄部長

3D CADは、モデリングするだけだった数十年前のものに比べ、ものづくりを支援するツールに進化した。
1995年にリリースされたSolidworksも、モデリングツールからものづくり支援ツールへと機能を拡張させてきた。しかしマーケティング部の金谷道雄氏は、「Solidworksのコアは操作性」と強調する。リリース以来バージョンアップを重ね、機能を拡張してきたのと同時に、設計者のやりたいことが直感的な操作で実現できるように操作性を改善。形状の直接変更はもちろん、他の3D CADデータの編集も変更したい部分だけをフィーチャーで抜き出し直接編集することができる。
設計要件の検証も、材料特性などの条件を入力すれば、CAE機能により構造解析や機構解析ができ、設計段階から品質が高められる。環境配慮についても、設計段階から取り組めるツールを標準装備。類似・代替材料を選択し、それを使った際の環境への影響、構造や強度、コストも検証できる。またそれだけではなく、設計者を悩ます手戻りや歩留まりも、適正公差や加工性などの生産・製造要件の検証ツールも標準で用意し、現場に渡す図面や3Dモデルの品質を高められるようになった。パートナーと組めば仮想試作も可能だ。
Solidworksは世界150万、国内12万ライセンスが導入されている。教育界でも大学や高専で高い導入率を誇り、3D CADが扱える人材が急速に育成されている。また、2D CADへの投資を3D CADに回し導入しやすくするように、2D CAD“DraftSight”の無償提供を開始した。「『3Dは世界共通言語』という観点に立ち、ものづくりで3D CADをどう使いこなすかを検討してほしい。東日本大震災後の新たな日本が世界に打って出るための変革は、今がラストチャンスであり、新たなるものづくりに挑戦して頂きたい」と力強い言葉で締めくくった。

実現する不況でも売れる仕組みの自社開発秘話
講師: 有限会社アイ・シー・アイデザイン研究所 代表取締役 飯田吉秋 氏

◆自社製品の開発過程で確立した独自の商品開発手法

有限会社アイ・シー・アイデザイン研究所 飯田吉秋代表

工業デザインを核にものづくりを支援するアイ・シー・アイデザイン研究所は、自社製品としてシリコンキャップの「Kissシリーズ」とシリコン製知育玩具「nocilis」を開発し、販売にも取り組んでいる。「デザインは情報。いい情報を持っていればいい商品になっていくと考えている」と言う代表取締役の飯田吉秋氏が大切しているのは「笑顔になるデザイン」。言い換えれば、満たされないものを満たすことである。
2009年に発売したKissシリーズは、飯田氏の介護体験から発案。ペットボトルやグラスに装着すると、振っても倒しても飲み物をこぼさないのが特長で、人間の声帯構造を元につくられている。2010年に発売されたnocilisは、「孫が夜でも積み木遊びできるように」ということから考案され、ひっくり返すと別の形になるユニークさを持っている。
これらの開発過程から、飯田氏は「ミルメソッド」という独自の開発手法を確立・提唱している。ミルは「見る」「観る」「視る」「看る」「診る」のこと。満ち足りない状態を把握して問題の本質を突き詰めていき、コンセプトを固めて正しいデザインを検証し決定する。
3D CADを、デザインの初期段階から活用。動作や機構を検証するほか、形状が美しいと感じられるまでパラメーターでフォルム調整を繰り返す。飯田氏は「こうすることで、シンプルでムダのない、そして美しい形をつくることができる」とデザイン時の活用ポイントを解説。「デザイナーは問題解決のための大枠をつくり、設計者はそれを高精度、高効率、高生産性でつくるために技量を発揮する。互いの領域がオーバーラップすれば、日本のものづくりは良くなっていくのではないか」と締めくくった。

進化するものづくり事例 ?高度化社会の工作機械が可能にする、高度な工作・新しいビジネス!?
講師: 株式会社入曽精密 代表取締役 斉藤清和 氏

◆職人技と最新技術でマイクロテクノロジーを究める

株式会社入曽精密 斉藤清和代表

精密切削加工や微細加工を事業の主力とする入曽精密は、3D CAD/CAMと汎用的なマシニングセンタを使い、アルミの薔薇、一辺が0.3mmの世界最小のサイコロ、目の出る確率が均一になるサイコロの製作といったプロジェクトを次々と実行してきた。
同社のプロジェクトは、ものづくりの常識である「図面」と「目に見える大きさのものをつくる」を覆すチャレンジ。図面を使わないものづくりを目指したのがバサラ大将プロジェクトである。三次元デジタイザを使い、婆娑羅大将像を細かく計測、得られたポリゴンデータを自社開発したアルゴリズムでサーフェスデータに変換し、工作機械をネットワークでつないだ同社独自の「MC造形システム」にサーフェスデータを送り、職人技でアルミ塊を削り製作した。
目に見える大きさのモノをつくることを覆すためのチャレンジは、世界最小のサイコロのプロジェクトが代表的。しかし2011年、新たな試みとして「マイクロハンドリングプロジェクト」をスタートさせた。自社開発した世界で唯一の「マイクロアッセンブリハンド」を使い、人間の目の分解能を超えた超微細な製品の組み立てに活躍している。
さらに代表取締役の斎藤清和氏は、既存商品・製品の微小化を研究する企業を、同社がある埼玉県西部に集積する「マイクロヒル構想」を打ち立てた。「目に見えない世界ではいくらでも手を抜くことができるが、日本人は真面目で、目に見えなくてもきっちり取り組む。日本人だからこそ、マイクロテクノロジーを駆使した思いもよらない製品ができる可能性がある」と断言。「日本のものづくりの強みを顕在化し、それを使った戦略で世界標準を押さえてほしい」と付け加え、参加者に訴えた。


開催報告

愛知県産業技術研究所主催、日刊工業新聞社共催の「先端研究者・経営者による地域活性化ものづくりセミナーin愛知」が7月21日、刈谷市の愛知県技術開発交流センターで県内企業を中心に80名超の参加の下、開催された。講演では、SIM-Driveの熊谷氏や千葉工業大学の古田氏が次世代産業についての展望を「スマート社会がもたらす次世代ライフスタイルとものづくり」を共通テーマに講演され、締めに東京工業大学大学院の柏木孝夫教授が「スマートコミュニティ構想による我が国の成長戦略」と題し、 展望などを解説した。

地域活性化ものづくりセミナー in 愛知 アンケート結果 ≫
ご協力ありがとうございました

先端研究者・経営者による地域活性化ものづくりセミナー in 愛知 開催概要
開催日時 2011年7月21日(木)
開催時間 13:00~17:30(受付開始12:30~)
開催場所 愛知県技術開発交流センター
※ご来場は車でお越しください。駐車スペースが200台分ございます。
主 催 愛知県産業技術研究所
共 催 日刊工業新聞社
後 援 中部経済産業局、あいち産業振興機構、愛知工研協会
対 象 愛知県および周辺の中堅・中小・零細企業の経営者・部課長・推進リーダー以上
定 員 120名
参加費 無料
セミナー資料 ダウンロード≫ (PDF 1.1MB)

先端研究者・経営者による地域活性化ものづくりセミナー in 愛知 セミナー報告

テーマ:

「スマート社会がもたらす次世代ライフスタイルとものづくり
~ものづくりスピリットが語る・変わるライフスタイル、創る新ビジネスチャンス!」

主催者挨拶
愛知県産業技術研究所 副所長 小早川和也

愛知県産業技術研究所 小早川和也

東日本大震災以降、進路を模索している企業にとって、本セミナーはヒントになると確信している。
今回を機に、地域の中小企業の技術的サポートをミッションにしている産業技術研究所の積極的な活用も期待したい。

来賓挨拶
経済産業省 中部経済産業局 地域経済部 次長 山田良明 氏

経済産業省中部経済産業局 山田良明氏

中部経済産業局では「八ヶ岳構造創出戦略」を掲げ、地域の産業構造の再構築に取り組んでいる。
次世代自動車分野においては、ITの活用やエネルギーの効率利用など、ものづくりの技術をスマートコミュニティにつなげていく取り組みが必要。こうした中、本セミナーのテーマは時宜を得たものであり、来場者には、産学官による新たなビジネス創出に挑戦されることを期待する。

次世代産業においてのEVの現状と今後―中小企業の関わり方―
講師: 株式会社SIM-Drive インホイールモータ開発部 部長・開発監 熊谷直武 氏

株式会社SIM-Drive 熊谷直武氏

慶應義塾大学発のベンチャー企業である当社が開発しているEV(電気自動車)の特徴は、「インホイールモータ」と「コンポーネントビルトイン式フレーム」の採用にある。
インホイールモータは、ホイールにモータを組み込み直接駆動する技術。磁石を組み込んだモータ外側のアウタが、内側のコイルの磁界によって回転し、強いトルクが得られる。
コンポーネントビルトイン式フレームは、床下に作ったフレームに二次電池などの主要部品を納めるもの。広い車室を実現できるほか、車体の軽量化にも貢献し低重心。走行安定性も高い。これらの技術を使い開発した8輪のEV・エリーカの加速性能は、試験の結果、外国産スポーツカーより高いことが実証されている。
EVはエリーカのほかに、同じインホイールモータ技術を使った世界初の電動低床フルフラットバスと、乗用車型EVのSIM-LEIがある。違いは、エリーカのモータが内側の磁石が回転しギヤで駆動するタイプであったが、これらの車両ではギヤを廃止し、モータ外側のアウタ磁石が回転する、更に進化した高効率なモータを採用している点だ。バスは慶應義塾大学が開発し8輪駆動。夜間の充電だけで、標準的な路線バスの1日の走行距離である120キロメートルを走行できる。SIM-LEIは量産を前提に当社が開発。1回の充電で300キロメートル以上の走行距離を達成、最高時速も150キロメートルを記録した。
今後、EVは10万台規模の生産になれば一気に普及するものと考えられる。地球温暖化と石油資源の枯渇への対応が必須の現在、支える技術が実証されたEVは今や、その時代を迎えたと言える。

ロボット工学のリアル社会での活用~次世代モビリティから原発対応ロボットのミッション~
講師: 千葉工業大学 未来ロボット技術研究センター 所長 古田貴之 氏

千葉工業大学未来ロボット技術研究センター 古田貴之氏

ロボットの定義は「感じて、考えて、動く、賢い機械の総称」。そういう意味では、現在のクルマや家電も、ロボット技術で動いているといえる。
ロボットの肝はリアルワールドで動かすこと。私はモビリティロボットの基礎研究をしているが、モビリティへのロボット技術の応用としては自動操縦があり、私たちも自動操縦技術を開発している。
その技術とは、特殊な制御によってレーザレンジファインダの首を振るようにし、周囲をスキャニングしながら地図を自動で作るというもの。障害物や人間を認識して避けるだけでなく、自分の位置を同定して地図を作り、地図から逆算して動く。
この技術を使い、2009年の「つくばチャレンジ」で完走を実現した。さらに2010年の同大会では、レーザレンジファインダに加えカメラをメインで使用。認識しにくいガラスも識別でき、このときも完走を達成した。
こうした技術は、さまざまなモビリティに展開できるようモジュール化している。駆動系だけではなく、認識・認知系もモジュール化。動くものであればある程度は簡単に作れるプラットフォームが完成した。
日本はこれから先、モノづくりだけでは生きていけない。技術は素材に過ぎず、サービスという出口まで技術を当てはめた「ものごとづくり」を推進していかなければならない。これからの技術者は、サービスや文化づくりまで見据え、そのために多くの人たちと手を携えるべきである。

パネルトーク 智慧の結集、創造力で拓く新ものづくり経営

パネリスト:
  有限会社アイ・シー・アイデザイン研究所 代表取締役 飯田吉秋 氏
  株式会社入曽精密 代表取締役 斎藤清和 氏
コーディネーター:
  ソリッドワークス・ジャパン株式会社 マーケティング部 担当部長 金谷道雄 氏

パネルトークの様子

本セミナーでは、3次元CADなどのデジタルツールの効果的実践でイノベーションを起こしている企業の経営者を迎えたパネルトークが設けられた。
はじめに、コーディネータの金谷氏から、3次元CADは単なるモデリングツールから、アイデアの具現化・設計効率化するのみならず、エンジニアリング検証や環境対応、さらには匠技との連携までできるようになってきている進化を解説。
その後、パネルトーク形式で、プロダクトイノベーションを起こしている飯田氏からは「笑顔になるデザインをコンセプトに、5つのミル(見る・観る・視る・看る・診る)による『ミルメソッド』で商品を開発する」と解説。ものづくりにプロセスイノベーションを起こしている斎藤氏からは、「デジタル技術とアナログ技術を融合した技術領域に於ける新カテゴリーとして、デジアナ技術が提唱された。枠にとらわれず思いきったことをすれば、不況にも打ち勝つ匠技と現場力で、予想外のいいことが起きる」と語られた。
最後にまとめとして、金谷氏は「日本はデジタル技術、匠技、多様な業界の叡智とものづくり、ことづくりをうまく融合すれば、今後もものづくり立国になれる」と締めくくった。

スマートコミュニティ構想による我が国の成長戦略
講師: 国立大学法人 東京工業大学大学院 教授 柏木孝夫 氏

東京工業大学大学院教授 柏木孝夫氏

今後の電源を考える上でキーワードになるのが、「分散型ネットワーク」と「スマート化」である。
分散型ネットワークを持続可能なものにするポイントは、再生可能エネルギーの全量固定価格買い取り制度などにより自由に発電・売電できる体制に変わり、電力費を通してイニシャルコストが回収できるようにすることにある。これが実現したときに登場するのが、スマートコミュニティである。
重要な役割を担うのが、再生可能エネルギーの不安定性を吸収する蓄電池だが、それをEV(電気自動車)が担えば、ビークル・トゥ・ホームが実現する。1日から2日分の電気を蓄電できるので、低圧需要家の電力が自由化されればコミュニティ内で電気を売買することが可能になる。
そればかりではなく、ICT(情報通信技術)が電気製品だけではなくEVにも搭載され、蓄電池の劣化具合もリアルタイムで診断される。車両搭載用として適さなくなったら定置型の蓄電池にし、やがて役目を終えてリサイクルする。このサイクルが確立されると、スマートコミュニティ構想が実現する。
スマートコミュニティ構想は、日本のエネルギーにパラダイムシフトを促す。発電・送電・配電が分離されて電力が自由に売買できるようになったとき、住宅、家電、自動車、ICT、情報処理、ケーブルテレビ、ゼネコン、ガスが手を組むと大きなビジネスチャンスが生まれる。一社単独ではできないので、どこと手を組んで推進するかが重要になる。


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