― 優勝できたポイントは何ですか。
「ベテランの方が何人もいらっしゃるので、技術ではなくマナーを強みとして臨み、それを発揮できたことが理由だと思います。普段からお客さまの要望をしっかり聞くようにし、会話のキャッチボールを心がけていますので、それが信頼を得ることにつながると思っています。受け答えの最後には『以上ですが何かありませんか』と確認を入れるようにしていて、『何もない』との返事を引き出せるかが、でき具合のバロメーターです。大会でもそれができました」
― どのような障害に取り組みましたか。
「サーバの電源2カ所のうち片方がエラーになり、予防で部品を交換するという内容でした。ただ、実際にお客さまへ問診すると、あるデータ領域にアクセスできないトラブルも発生していると申告されました。その他、お客さまが気付いていない障害も作業中に発見しました。こうしたことは実際の現場でもあります。当初の課題である電源交換だけでなく、お客さまが気付いていない他の障害も含めて対策に取り組みました」
― 大会を通じた発見や成長はありましたか。
「最も得られたのは自信です。今まで自分が正しいと思っていても客観的に確認できませんでしたが、優勝という形で確認することができました。障害情報の迅速な取得方法を助言いただくなど、作業方法の改善点をいくつか指摘されたことも収穫です。一方で、部品を交換する際に取り違え防止のために目印を付けることを忘れるなど、細かいミスがありました。そうした点はまだまだ甘いと思います」
― 自身の経験を周囲にどう伝えますか。
「私の職場は、上司や先輩が気さくに話しかけてくれて、アットホームな雰囲気があります。気になった点をすぐに聞くこともできる一方、改善点を指摘されることもあり、コミュニケーションがしっかり図れています。こうした日ごろの指導が今回の結果にもつながったと思います。大会ではマナーについて高い評価をいただくことができ、それを他にも広めるとともに技術面でも競技で得たより良い手法を自部署にフィードバックしていきたいと思います」