年賀状は、親戚や友人に送るだけで手一杯。ビジネスの相手には送らない――。という認識は、改めた方が良さそうだ。実は年賀状は、ビジネスに有効活用できるからだ。ダイレクトメール(DM)によるマーケティングに詳しい黒田浩司氏は「年始こそ、年に一度の絶好のDM送付のチャンス」と断言する。
DMへの反応(レスポンス率)は、通常、0.1%程度とされている。ところが、年賀状としてのダイレクトメール(年賀DM)なら、15%以上の反応を得た例もある。
「でも、特に大がかりな仕掛けをしたわけではありません。少しの工夫で、年賀状の特性を活かしただけです」
年賀状には、長年の習慣や仕組みによって、ほかのチラシやDMにはない、人を惹きつける力があるのだ。
まず、時期がいい。「年始の挨拶に不審を抱く人はいません」と黒田氏が言うように、普段の時期であれば「しつこい」「なぜ今」と言われてしまいそうなアプローチも、年始の挨拶という形を守れば、自然に受け止めてもらえる。
また、くじが付いているのも大きな利点だ。
「チラシのように、目を通されずに捨てられることがありません。お年玉くじの当せん番号発表時まで保管してもらえ、そのときに改めて目に触れるというメリットがあります」