年賀状の有効なビジネス活用法 DM営業コンサルタント 株式会社ミラクルレターマーケティング 黒田浩司氏

ビジネスに活用できる年賀DMサービス1 「オリジナル年賀はがき」

休眠顧客の掘り起こしに最適

では、どういった相手にこの年賀DMを送るのか。虚礼廃止の風潮が強まる中、普段からお世話になっている相手にだけ送ればいいのかというと、そうではない。
「同業他社が年賀状を辞めていれば、それは差別化のポイントになります。それに、虚礼だと思うなら、虚礼に終わらない年賀状をつくればいいのです。そういった年賀DMは、実は休眠顧客にこそ効果的です」

顧客には、今、つきあいのある既存顧客、まだ取り引きのない新規顧客、そして、過去には取り引きがあったものの、現在はつきあいのない休眠顧客がある。
「休眠顧客の取り引きが途切れてしまった理由を考えてみてください。心証を害したとか、価格が折り合わなくなったとかではなく、取引後のフォローが不足していたのではないでしょうか。であれば、年賀DMで再びコンタクトを取りましょう」

黒田氏は、休眠顧客は既存顧客の一部と位置づけている。苦労して新規顧客を獲得することに比べたら、休眠顧客の掘り起こしはコストも手間もかからないからだ。
「実際に、年賀DMで取り引きが復活した例もあります。まずは『見積もりだけでも声をかけてみようか』と思ってもらうことが、第一歩です」

ただ、どんな文面の年賀DMでも心をつかめるかというと、そうではない。気に留めてもらうためにちょっとした工夫が必要だ。
「相手の関心を引きそうな情報をわかりやすく記すこと、手書きでメッセージを加えることが大切です」

新規顧客へ向けた年賀DMは、その後の営業活動の布石として考えるといい。
「たとえば電話営業など、次へのステップとして考えます。はがきは1000枚発送しても5万円ですから、そのうちのひとつでもビジネスにつながれば、十分に採算が取れます」

ビジネスに活用できる年賀DMサービス2 「DMファクトリー」

無料オファーで来店率を高める

名刺交換の習慣がなく、顧客管理のしにくいBtoCのビジネスでも、年賀DMは有効だ。
実は冒頭で紹介した15%以上のレスポンス率は、あるコンビニエンスストアが達成したものだ。指定したエリア内で元日に年賀状の配達があるすべての世帯や事業所に年賀状を配達する『年賀タウンメール』を使い、来店者全員に肉まんをプレゼントするという特典を告知したことが、この高効率につながった。
「このような『無料のオファー』は、来店を促すのに非常に効果的です。抽せんや先着でなく、全員というのがポイントです」

年始にふさわしい凧揚げ大会や書き初めイベントを開催したり、はがきについているくじを活用した独自の抽せん会を企画したりすると、特に家族連れの来店が見込めるという。「年賀タウンメール」は特別区、政令指定都市のある都道府県なら30世帯以上のマンションにもピンポイントで配達できる。ファミリー層が多そうなマンションを指定して年賀DMを送るのもいいだろう。

年賀状でPR 年賀状らしくつくることが、高いレスポンス率を達成します

見た目はあくまで年賀状らしくつくる

コンシューマー相手だからと、デザインや文面を凝りすぎる必要はない。むしろ、普通の年賀状らしい方が、好感を持って読んでもらえるのだ。
「年始の挨拶を述べ、それから簡素に無料のオファーを簡単に説明するのが基本です。あくまで慣れ親しまれた年賀状の体裁を保ち、広告色はできるだけ抑えます」

普段のDMのデザインを流用するのは避けるべき。それよりは、温かみのある、手づくり感のあるものを目指す。
「意外と忘れがちなのが『お待ちしております』『ぜひお越しください』といった、行動を促す言葉。これがあるとないとでは、大違いです。できれば手書き、難しければ、手書き風フォントで一言添えてください」

また、あて名面の活用も年賀DMの好感度を上げるポイントになる。
「ここには、無料のオファーをシンプルにわかりやすく記します。伝えたいことがたくさんあってもそれは年賀状には書かず、URLやQRコードを載せるに留めます。そこからホームページに誘導すればいいのです」

ビジネスに活用できる年賀DMサービス3 「年賀タウンメール」詳しくはこちら「郵便年賀.jp」へ

新年のダッシュに年賀DMの活用を

BtoBでもBtoCでも、高い効率が期待できる年賀DM。せっかくなら、つくるときも効率よくつくりたいという方にはネット上のサービス『DMファクトリー』の利用をおすすめしたい。
これは、無料のイラストや写真を使い、簡単に年賀状をデザインできて、印刷の注文ができるというものだ。もちろん、自分で撮った写真を組み合わせる事も可能。

40枚から対応しており、オプションメニューとしてあて名の印字や、発送の代行も用意されている。詳しくは『DMファクトリー』で検索するか、『郵便年賀.jp』にアクセスして確認を。

この年末は、年賀DMをつくり、送って、その力を新年のビジネスのスタートダッシュに活用して欲しい。

DM営業コンサルタント 株式会社ミラクルレターマーケティング 黒田浩司氏 岐阜県出身。慶應義塾大学商学部卒業。手紙のようなDMを活用した営業方法を、企業経営者や個人事業主に推奨している。著書に『バカ売れ 魔法の手紙DMが面白いほど書ける本』など。

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