企業の魅力発信につなげる


【有識者インタビュー】
東京都産業労働局雇用就業部 部長
小金井 毅(こがねい つよし)氏

東京・多摩地区は大手企業の有力工場をはじめ、技術にたけた製品開発型企業、高度な製造技術を有する基盤技術型中小企業が集積する。深刻化する人手不足に対応するため、社内の働き方を見直し、新たな人材を活用する企業が出てきた。東京都は支援施策を整え、働き方改革を進める中小企業の人材確保を後押しする。東京都産業労働局雇用就業部の小金井毅部長に取り組みと今後を聞いた。


-都内企業の現状と課題は。

「2016年に『ニッポン一億総活躍プラン』が閣議決定し、働き方改革は日本経済の再生に向けた最大のチャレンジだ。働き方改革の機運が高まる中、大企業を中心に取り組みは進む。しかし都内企業の99%を占める中小企業に余裕はなく、改革は思うように浸透していない。中小企業が取り組みやすい仕組みづくりや実効性のある支援が必要。単なる働き方の改善ではなく、企業にとって人材の確保につながるメリットとして感じてもらい、新しい発想や技術イノベーションの創出につながる経営戦略の一環にしたい」

-多摩地区の現状はいかがですか。

「中小製造業の半分近くが人手不足に陥っている。『規模が小さいのでいい人材が来ない』『人材の受け入れ態勢が十分でない』『時間をかけて育てる必要がある』などと採用や教育、定着化で多くの悩みを聞く。女性や高齢者など、新たな人材の活躍の場を提供することが今後の企業成長のカギになる。都の『ライフ・ワーク・バランス認定企業』を受けた内野製作所(東京都八王子市)は、施設環境や人材登用の面で女性が働きやすい環境を整え、企業のイメージアップを図り、採用の応募増につなげた」


-今後どのような支援に取り組むか。

「働き方改革の機運を高めるために『TOKYO働き方改革宣言企業』を毎年度1000社ずつ増やし、20年度には5000社の達成を目指す。これを突破口にし、社会全体に改革のムーブメントを広げる。さらに先進的で優れた取り組みを実施する企業には、ライフ・ワーク・バランスフェスタの参加や、学生向け企業紹介の冊子、ウェブサイトなど、さまざまな機会を活用し積極的にPRしていく。これにより、企業の魅力発信につなげ、好事例を発信することで取り組みの輪を広げていく」

【2018年1月16日付】