いま知りたい!多摩地域の有力企業
高品質で効率的な生産、人材採用と育成、女性登用や子育て支援など、東京多摩地区の有力企業は「働き方改革」に取り組んでいる。作業現場やオフィスの環境整備や高いスキルを保持する社員の育成などを行い、さらなる発展を目指している。
有明電装   安藤機械工業   鬼塚硝子   京西テクノス
有明電装は従来の本社・工場(東京都青梅市)の近隣に社員の士気を高め生産力の倍増を目標に新社屋を竣工し、2017年12月に移転した。電子機器の受託製造を手がける中、手作業が多い少量多品種の生産や増加傾向にある新規案件の対応力を高め生産効率と稼働率アップが可能となった。新工場では「働きやすい環境づくり」を意識し、作業場を広げ作業の効率化を図り、効率的に動けるようにした。2階も大半を作業場とし、今後は無機EL事業の拠点「八王子事業所」(東京都八王子市)の移転・集約も検討しており、社内改革をまだまだ進めていく。 安藤機械工業は1943年(昭和18年)の創業以来、一貫して工作機械のオーバーホールを業としている。近年は高付加価値化の要望に伴い、NC装置を付加するレトロフィットが主流であるが、最終精度の仕上げは昔と変わらず体感を頼りとする手作業となる。現場に入る新入社員にはまずは数年掛けてひたすらキサゲ技能を体と頭に叩き込む。採用する学校はこの40数年間、都立の工業高校一校のみ。ここ数年間は敢えて毎年1名のみ採用しじっくり育てる。見習いの者には根気よく「これから君は生涯掛けて機械の医者になるんだ!」と説く。  鬼塚硝子は次代の育成を重視し2017年から地元の多摩地区の高校卒業生を中心に本格的採用を開始。さまざまな勤務形態を経験した女性経営者目線から、子育てや介護が必要な社員には家庭と仕事の両立に向けて短時間勤務者の採用も行っている。今後は非正規雇用を減らすことを意識し、パートタイマーや派遣社員から正社員への登用を重視していく。「自分らしい生き方」、「自分に合った働き方」を発見することで、社会に貢献しているという矜持が大切と考える。個人個人が自身に合った働き方を見つけ、また会社組織として柔軟に対応し多様な雇用形態を提供できることを目標としている。 京西テクノスの業務は、電子機器の修理や医療機器の保守、24時間365日のコールサポートなど多岐にわたり、一人が複数の業務をこなす。そのため、日々の業務内容や予定、人員配置、納期などを詳細に確認し、繁忙業務の応援体制を整えている。それでも定時で終了できなければ時間外勤務を指示するが、フレックスタイム制度を活用し、月次で時間外勤務が極力少なくなるよう対応する。一人ひとりが稼働率を上げ、顧客に価値を認めてもらえる業務を遂行することで収益を高めていく。顧客と社員、会社が等しく満足できる「働き方改革」を目指す。








須藤精密   東成エレクトロビーム   野村DS   マキノ
須藤精密は創業45年目となった昨年、事業承継を行い社内体制を刷新した。社長や工場長の交代のみならず、現場のリーダーには30代の若手社員を起用するなど若年化を図っている。毎月実施する「改善事例発表会」では、現場での5Sや、最新工具の活用による作業効率改善の具体的な事例などを若手社員が自ら発表している。これにより、社内の知識共有に加えて、若手社員の自信やモチベーション向上にも繋がっている。
 新体制の下、各人が「自らの成長によって周囲へ恩返しをする」をスローガンに、全社員一丸となって更なる躍進を目指す。
東成エレクトロビームは非正規社員の採用を取り止め、全て正社員として採用している。これは同社が、製造・間接部門の社員に求めるものは熟練工(スペシャリスト)・多能工(幅広い業務)であり、「数ヶ月から数年で辞める会社である」との考えで勤務しても人は育たない。また、定着もしない。そんな思いから派遣社員の採用は9年前に取り止めた。 共働きの社員も多く、幼い子供を養育中の社員が保育園の休園で困っていたので、 年末年始休暇を1日増やすなど、社員の意見を吸い上げて社員にとって働きやすい環境整備に取り組んでいる。 野村DSは創業以来70年余に渡り、自動旋盤の開発企画・製造・販売・アフターメンテナンスを行っている。創業当初の時代は、現場はまさしく男社会で、働く人のほとんどが男性だった。残念な事に長らくその風潮は変わらず、事務職には女性スタッフを雇用してはいたが、技術職スタッフは全員男性だった。
 しかし、近年は「女性活躍推進」として、技術職スタッフにも女性を雇用し始めた。今では、CNC自動旋盤を自らプログラミングしオペレートする女性スタッフは、顧客から絶大なる人気を得ると同時に活躍している。
マキノは常に最新設備を導入し、板金加工の生産性効率を高め加工製品の生産を増やしている。課題であった仕分けと出荷作業での時間ロスを無くすため、物流倉庫「マキノパーツセンター」を2月にオープンさせる。自動搬送装機能をもつクレーンを4機設置し、ユーザーニーズに即した出荷と仕事の平準化が図れる。一方、受注伝票を手入力で行ってた作業を、2016年9月からIT化し,自社開発した画像読み取りシステムで伝票を読み取らせることで入力時間を大幅に削減。作業員は付加価値の高い仕事に時間を割くことが可能となり、15年と比較し、残業時間は約20㌫削減し、売り上げは約20㌫増加に結びつけている。








吉増製作所            
吉増製作所の視点は“時間”。数千点の航空機エンジン用精密板金部品の製造を受け持つ同社では、多種少量生産により工程が複雑となってボトルネックやロスが発生する。各員の意識・力量に強くよる業態であり、生産性向上には上下・係間の連携、多能工化が必要となる。全社方針“One Up(一段上の成長)”を掲げ、これら実現のために残業上限を適正管理し、その中での任務完遂方法を皆に真剣に考えてもらう。また、現場組織をあまり細分化せず、例えば仕上作業の停滞に溶接員等が迅速に応援できる環境を作り、多能工化・技能向上OJTを進めている。      








東京都多摩地域は、全国でも有数の試作・開発機能、高度な技術力を備えたモノづくり企業が集積している。こうした中、各企業は最先端の技術や製品、サービスなどを国内外に提供し続けている。
エイチ・エー・ティー   京王電化工業   サンテック   相馬光学
航空や宇宙部品で培った技術と品質で顧客満足を追求。福島工場には5軸マシニング、大型縦型旋盤、大型三次元測定器などの設備を整え、本社の放電加工、ウォータージェットを含め一括受注を目指す。また今年は新機種8台を導入し一層の拡大を計画している。 独自に開発した回転バレル式三価クロムめっきや耐食性に優れた三価オリーブクロメートなど、革新的な技術で市場を開拓。、「ベトナム工場「ケイデンベトナム(ホーチミン市)」の設備を増強し、現地メーカーや日系メーカーの要求に環境配慮と高品質のめっき技術で応える。 サンテックはダイシング加工技術を大手半導体や電子部品のメーカ-、大学・各研究機開発機関に提供し、シリコンやSiC、セラミック、サファイアなどの次世代素材に対応。これまで培った技術を生かし、マシニングセンターの導入で高品質で微細な円形・穴開け加工にも注力している。 相馬光学は水産研究・教育機構と共同で、生マグロの脂肪含量の割合を1秒で測定できる「PiPiTORO(ピピトロ)」を発売した。近赤外分光スペクトルの反射を利用し非接触方式で測定するため、測定時間が大幅に短縮する。誰でも簡単に扱え、船上でも迅速に測定できる。








西武信用金庫   東洋ボデー   ニレコ   マイクロニクス
西武信用金庫は「お客さま支援センター」として、課題解決力にこだわり活動する。常にお客さま目線で総合コンサルティング機能を発揮。地域、企業、人々への課題解決への取り組みは、信金の原点である相互扶助・利用者保護の協同組織金融機関そのものだ。 東洋ボデーは1952年の創業以来一貫してトラックリヤボディーを製造、顧客に輸送価値を提供。地球環境に配慮した企業活動、製品提供を通じ、東洋を含め世界へ輸送効率向上のための新しい価値を創造し続けている。 ニレコは制御・計測・検査装置のパイオニア。鉄鋼、印刷、高機能材から農産物まで幅広い業界の生産活動を長年に渡り支え続けている。医薬品添付文書の有無や、「食」の安全・品質を守る検査装置の販売を開始、さらなる新市場を開拓し品質管理に貢献していく。 電子計測器・情報通信機器・環境関連機器をワールドワイドに提供している。無線・EMC市場に対し、リアルタイムと掃引の2方式を搭載したハンディ型リアルタイムスペクトラムアナライザ「MSA500シリーズ」を製造・販売している。








吉野化成   米山製作所   ワイエイシイ    
吉野化成は、昨年、創業50年を迎えた。独自の製造方法で開発した塗装用マスキングフィルムの「スーパーコロナ」マスカーは、塗料の垂れにくさとフィルムの開き易さから、利便性の良い信頼性抜群の製品。塗装用養生フィルムでは、国内で80%のシェアを誇る。 米山製作所はウォータージェット加工の可能性を追求し続けてまもなく30年を迎える。4種類の新型加工機であらゆる素材に蓄積したノウハウを発揮し熱影響が少なくダメージを与えない。働き方改革に向けて、全社員とアイデアを出し、環境作りの一歩を歩み出した。 液晶・有機EL、半導体及び医療関連等の幅広い事業業域を持つ「開発技術の総合メーカー」。グループ各社の連携と競争及び積極的なM&Aにより、更なる成長を目指す。全社員の英知を結集した経営で「働き方改革」にも積極的に取り組む。