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Vol.4

美しい金属をつくり続けます 林精器製造(須賀川市)

 林精機製造がウオッチケース加工を起源に創業してから90年の月日が流れた。この間に腕時計はクオーツからGPSへと、より高精度なものへ進化を遂げてきた。しかし将来にわたってすべての消費者が高性能な商品だけを求めるかといえば、決してそうでは無く「腕時計の価値観は精度のみでなく、見栄えの美しさの追求から生まれるもの」と林明博社長は主張する。「美しい金属をつくり続けます」。同社のモノづくり思想を象徴するキャッチコピーだ。これは人間の感性のなかでもかなり高い次元の満足度が要求され、基盤となる高い技術力の裏づけが不可欠だ。


時計外装
 同社は金属加工分野であればほぼすべてを手がけられるが、この思想を基軸に新規分野の開拓にも積極的に取り組んできた。そのひとつが将来的に成長が期待できる医療機器分野だ。次代を担う新規事業として、産学官連携のもと医療機器製造業許可を取得するなど事業の拡大を進めてきた。東北大学歯学研究科や日本大学工学部などと連携し、次世代の歯周病治療機器や非接触で輸液チューブの流量を計る装置開発など3事業を平行して進めている。
 将来的には同社が得意とするモノづくりと合致する、ロボットによる介護、医療補助具的な分野で、美しさという味わいを加えた製品開発を目指すという。「私にとってのモノづくりは必ず人が関与するもの。フルオートメーシュン的な自動販売機的なものは決してモノづくりではない」と林社長は強調する。そして「人の感性が入ったモノづくりだけが付加価値の高い商品を生み出す」と言葉を続けた。
 世界経済のグローバル化により、人が関与しコスト高になるモノづくりを国内で続けることは難しくなっている。だが林社長は、あくまでも人の手による、感性に訴える「美しいモノづくり」にこだわりつづける。

本 社=須賀川市森宿向日向45
代表者=代表取締役 林 明博
業務内容=1.各種腕時計側(ウオッチケース)製造 2.電子機器部品製造 3.装飾めっき 4.機能めっき 5.省力機械の設計・製作
設立=大正10年4月
URL:http://www.hayashiseiki.co.jp/

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